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中国 製造業の景況感 2年3か月ぶりの高水準に

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中国では政府が内需の下支えを強めて鉄鋼などの業種で収益が改善した結果、製造業の景況感を示す先月の指数が、市場の予想を大きく上回る2年3か月ぶりの高い水準となりました。
中国の国家統計局は毎月、中国国内のメーカーを対象に景況感を調査し、製造業のPMI=購買担当者景気指数として発表しています。

製造業購買担当者景気指数(PMIPurchasing Managers'Indexは、景気転換の先行指標であり、製造業の購買担当者へのアンケート調査をもとに指数化して発表します。50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退を示唆します。 GDP世界第2位となった中国の景気動向は欧州、豪州、アジア、日本、米国など主要貿易相手国への影響も拡大しています。さらに、2013年にインドを抜き世界最大の金消費大国となった中国の景気は金価格へも大きく影響します。製造業PMIは、その中国の景気動向を見る上で最重要指標の一つとなっています。 中国では、国家統計局による指標と中国系企業Caixin(財新)による指標の2つが存在します。国家統計局PMIの調査対象は大手国営企業が多いのに対し、後者は中小企業が多いのが特徴です。※2015年6月分まではHSBC(香港上海銀行)が発表。
国家統計局発表のPMIの推移を見ると、中国でも2008年秋のリーマンショック、その後の金融危機の影響を受けましたが、短期間でV字回復。しかし、2010年以降、欧州問題の影響拡大や国内の景気減速が緩やかに進み、2011年11月と2012年8~9月には分岐点の50割れも記録、回復方向への分岐点にある状態です。
最近の中国・製造業PMI(括弧内は4ヶ月移動平均)

 2016年10月:51.2(50.48)
 2016年9月:50.4(50.18)
 2016年8月:50.4(50.10)
 2016年7月:49.9(50.03)
 2016年6月:50.0(50.10)
 2016年5月:50.1(49.85)
 2016年4月:50.1(49.68)
 2016年3月:50.2(49.58)
 2016年2月:49.0(49.43)
 2016年1月:49.4(49.63)
 2015年12月:49.7(49.73)
 2015年11月:49.6(49.73)
 2015年10月:49.8(49.83)

 
1日発表された先月の製造業のPMIは51.2で、前の月より0.8ポイント改善し、市場の予想を大きく上回る2年3か月ぶりの高い水準となりました。景気判断の分かれ目となる50という指数を上回ったのは3か月連続です。

これは、中国政府がインフラ投資の拡大や自動車の販売刺激策など内需の下支えを強める中、大手の国有企業を中心に生産と、国内での新規の受注が大きく伸びたことによるもので、これまで業績が低迷してきた鉄鋼や石炭といった業種でも収益が改善しました。

ただ海外からの新規の受注や企業の設備投資は依然、振るわず、中国政府は、当面、財政出動などの景気刺激策を維持するものと見られます。

一方、生産能力の削減を進めるべき鉄鋼などの業種で景気対策によって再び生産が活発になり、構造改革が進まないことへの懸念も中国経済の専門家から出始めていて、今後の動向が注目されます。





 

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